将棋の八大タイトル戦の1つ『名人戦』は、竜王戦と並び格式が最も高い棋戦です。
そして80年以上の続いている、格式と伝統のある棋戦なんです。
その名人戦は毎年対局者が2人しかいないって知っていました?名人と挑戦者の2人で争われるのが名人戦で、挑戦者を決める戦いは順位戦と呼ばれています。
名人戦と順位戦は他の棋戦と比べても仕組みが難しく、順位戦の結果によっては引退に近づいてしまう(順位戦への参加資格のないフリークラスへ降格)ことにもなりかねない、棋士にとっては1番重要な棋戦と言っても過言ではありません。
本記事では名人戦・順位戦について詳しく解説していきます。
将棋の名人戦とは:開催概要
将棋の名人戦は80年以上も続く、棋戦の中で最も伝統と格式のある棋戦です。
開催概要 | |
主催 | 毎日新聞社、朝日新聞社 |
協賛 | 大和証券グループ |
開催期間 | 4~6月 |
対局ルール | ・7番勝負
・2日制 ・持ち時間は9時間 |
永世称号 | 通算5期獲得 |
名人戦挑戦権 | 順位戦A級優勝者 |
現在は佐藤天彦名人が3期連続名人位を獲得中です。
将棋棋戦:歴代名人獲得者一覧
歴代名人獲得者一覧 | |
1-5期 | 木村義雄 |
6-7期 | 塚田正夫 |
8-10期 | 木村義雄 |
11-15期 | 大山康晴 |
16-17期 | 升田幸三 |
18-30期 | 大山康晴 |
31-39期 | 中原誠 |
40期 | 加藤一二三 |
41-42期 | 谷川浩司 |
43-45期 | 中原誠 |
46-47期 | 谷川浩司 |
48-50期 | 中原誠 |
51期 | 米長邦雄 |
52-54期 | 羽生善治 |
55期 | 谷川浩司 |
56-57期 | 佐藤康光 |
58‐59期 | 丸山忠久 |
60期 | 森内俊之 |
61期 | 羽生善治 |
62-65期 | 森内俊之 |
66-68期 | 羽生善治 |
69-71期 | 森内俊之 |
72-73期 | 羽生善治 |
74-76期 | 佐藤天彦 |
歴代名人の中で、永世名人の称号を獲得している棋士は6名います。
永世名人獲得者一覧 |
木村義雄 |
大山康晴 |
中原誠 |
谷川浩司 |
森内俊之 |
羽生善治 |
そうそうたる面々ですね。
将棋の順位戦とは
順位戦は棋士がA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5つの組に属しリーグ戦を行い、名人戦の挑戦権を争う棋戦です。
先ほど挙げた5つの組以外にも、フリークラスと呼ばれるどの組にも属さない棋士もいます。フリークラスの棋士たちは順位戦に参加することができないため、名人戦への挑戦権もありません。
順位戦は複雑
名人戦への挑戦権はA級の優勝棋士しかないのですが、A級には原則として10名の限られた棋士しか所属することができません。
A級の棋士になるのも大変でして、順位戦は必ずC級2組からスタートするのですが(どんなに強い棋士でも)、1つずつ昇級条件をクリアし昇級していくしかないんです。もちろん飛び級もありません。
そして、順位戦は1年がかりで行われるため、名人の挑戦権を得るには、最短でも5年はかかってしまいます。
長い道のりですね。
順位戦の組によって対局料が違う
棋士のお給料に直結する対局料。
実はこの対局料、所属する組によって金額が違うんです。
もちろんA級の棋士は対局料が高く、C級2組の棋士は少なくなっています。
実力主義の世界ですね。
- 順位戦はC級2組から始まる
- 1リーグ戦い抜くのに1年かかる
- 飛び級はない
- A級の優勝者のみ名人戦へ
- 所属する組によって対局料も違う
名人戦に挑戦するには
- 1C級2組上位3名に入る
- 2C級1組上位2名に入る
- 3B級2組上位2名に入る
- 4B級1組上位2名に入る
- 5A級優勝する
藤井聡太七段が名人になるには
藤井聡太七段も例外なくC級2組から順位戦に参加していますが、現在はC級1組でリーグ戦を戦っています。
藤井七段が名人になるには、
C級1組(現在)
↡
B級2組
↡
B級1組
↡
A級
↡
名人戦
と、どんなに早くても4年はかかってしまいますね。
名人戦ばかりはA級にしか挑戦権がないので、気長に見守っていくしかなさそうです。
名人戦・順位戦まとめ
棋士にとって最も重要な棋戦の1つである、名人戦・順位戦。
名人戦への挑戦は、順位戦でA級まで昇級し、A級で優勝するというとても険しい道のりです。
そして、1つの組の違いでお給料(対局料)に差がでて、生活も左右されるため、順位戦は負けられない戦いなんです。(どの棋戦でも負けられませんが)
藤井聡太七段にも早く名人位を獲得してもらい、永世名人の称号を目指してもらいたいなと思います。
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