将棋には千日手と言うルールがあります。
日常生活では全くと言っていいほど聞くことがない千日手ですが、いったいどのようなルールなのでしょうか。
将棋の千日手とは
千日手とは
同じ局面で同じ手順の状況が4回現れたときに、引き分けとなり最初から指しなおすことを言います。
つまり、まったく同じ状況が何度も繰り返され、対局に進展がみられないときに適応されるルールのことです。
お互い、同じように指していては永遠と終ることもありませんし、何かしらの線引きは必要です。
そこで、同じ盤面は4回で引き分けと言うルールを作ったんですね。
しかし例外として千日手でも負けてしまうことがあります。
基本的には引き分けになる千日手で負けてしまう条件は、
連続で同じ盤面になる王手を繰り返すことです。
連続で同じ盤面になる王手を4回連続で繰り返すと、王手をかけていた方が負けになるので注意が必要です。
連続王手の千日手は反則負けになる
そのため王手をかけている方は、4回繰り返される前に違う手を指さなければなりません。
千日手になった後の対応
将棋の公式戦で千日手になった場合は、指し直し局が行われます。
指し直し局のルールとしては、千日手局と先手・後手が入れ替わり対局がスタートします。
持ち時間は千日手局の残り時間を引き継ぎますが、どちらか一方でも持ち時間が60分に満たない場合、持ち時間が60分になるように時間が足されます。
もちろんその時は、相手にも同じ時間が足されることになります。
そして、公式戦では千日手になってから30分後に指し直し局が行われる運びとなっています。
千日手に有利・不利はあるか
もちろん千日手にも有利、不利はあります。
基本的に将棋は先手番の方が若干ではありますが勝率が良くなっています。
つまり先手番の方が有利なんですね。
ということは千日手で指し直しになった場合、指し直し局の先手番が若干有利ということになります。
有利と言ってもほんのわずかなのですが、先手と後手が入れ替わるので注意が必要ですね。
先手番は千日手にしたくない
先手番の対局で千日手になってしまうと、指し直し局では後手番になってしまいます。
千日手はどうしても起きてしまうのですが、先手番の棋士は本当であれば千日手には持ち込みたくないはずです。
もし千日手の可能性があるけどならなかった局面があれば、先手番が打開していくことがほとんどでしょう。
(※先手が明らかに不利な状況であれば千日手に誘導したくなりますが。)
プロ棋士の対局では千日手も頻繁にみられる
そうはいっても千日手はなかなか起きないんじゃないかと思われるかもしれませんが、プロ棋士の対局では何度も目にします。
対局結果に指し直し局がのっていたり、藤井聡太棋士の対局でも千日手は見られていました。
また、対局の解説を聞いていても、「千日手になりそう」や「千日手に誘導したくなる」など実際に千日手にならなくても解説で聞くことも多いです。
将棋を知るうえでは覚えておきたいルールですね。
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